相続ワンストップ相談所、相談員の税理士青山徹です。

 

残暑厳しい日が続きますがいかがお過ごしでしょうか?

夜にエアコンを付けずに寝ると気づかないうちに熱中症になるリスクがあるようですので気を付けてください。

 

今日は令和元年の税制改正の中から個人的に気になる点を取り上げたいと思います。

気になっている改正は今年ですが来年令和2年の4月1日以降の相続から適用される「配偶者居住権」についてです?

 

何が気になっているかと申しますと、「配偶者居住権」は相続されるのか?ということです。

 

「配偶者居住権」が創設されたことで、配偶者の権利が保障されることはとてもよいことだとは思います。しかし、ではその配偶者が亡くなった場合(二次相続開始の場合)に、「配偶者居住権」は相続財産になるのか?という疑問がずーっと消えずにいましたが、この度その疑問がやっと解決されました。

 

先月財務省のHPで公開された、「税制改正の解説」の中に下記の記述があります。

『 配偶者が死亡した場合には、民法の規定により配偶者居住権が消滅することとなります。この場合、居住建物の所有者はその居住建物について使用収益ができることとなりますが、民法の規定により(予定どおり)配偶者居住権が消滅するものであり、配偶者から居住建物の所有者に相続を原因として移転する財産はありませんので、相続税の課税関係は生じません(配偶者居住権の存続期間が終身ではなく、例えば10年といった有期で設定されて存続期間が満了 した場合も、同様に贈与税の課税関係は生じません。)。

 

これについては、居住建物の所有者が使 用収益することが可能となったことを利益と捉え、その居住建物の所有者に対してみなし課税をするという考え方もありますが、このように配偶者の生存中存続し、死亡に伴い消滅するという権利関係が生じるのは民法に定められた配偶者居住権の意義そのものに由来するものであることや、居住建物の所有者は配偶者居住権の存続期間中は自らの使用収益が制約されるという負担を負っていること、相続税法に定められた評価方法の考え方からすれば、その負担は存続期間にわたって逓減するものであり、配偶者の死亡時にまとまって解消されるのではないことを踏まえれば、課税の公平上問題があるとも言えないことから、みなし課税をする必 要はないと考えられます。』

 

難しいことが書いてありますが、「配偶者居住権」は二次相続の際には相続財産とは考えないということです。

 

ただし、例外的に課税される場合のことも示されており、それは

期間の中途で合意解除、放棄等があった場合です。

 

『配偶者居住権は、当初設定した存続期間をその中途で変更することができないと解されていますが、配偶者が放棄をすること、配偶 者と所有者との間の合意により解除することが可能と解されます。また、配偶者が民法第 1032条第1項の用法遵守義務に違反した場合には、居住建物の所有者は、配偶者居住権を消滅させることができます。このように配偶者居住権の存続期間の満了前に何らかの事由により配偶者居住権が消滅することとなった場合には、居住建物の所有者は期間満了前に居住建物の使用収益ができることとなります。これは、配偶者居住権が消滅したことにより所有者に使用収益する権利が移転したものと考えられることから、相続税法第9条の規定により配偶者から贈与があったものとみなして居住建物の所有者に対して贈与税が課税されるものと考えられます。』

 

あまり無いケースかもしれませんが、課税される場合も想定されていますので「配偶者居住権」の取り扱いは令和4月1日以降の相続で重要な論点になりそうです。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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