皆様お世話になっております。相続ワンストップ相談所、弁護士中林です。

私共、相続ワンストップ相談所も発足から、2回目の年末を迎えようとしています。今年も多くのご相談をいただく中で、傾向のようなものを感じていましたので、今回書いてみようと思います。

 交渉案件

私、弁護士が担当する案件は、交渉案件です。

典型的なケースとしましては、相続手続を進める中で、遺産分割協議書への署名押印、印鑑証明書の交付を他の相続人から求める必要があるのですが、そのお願いを代理して行うことです。

「お願い」の進め方としては、様々な進め方があるのですが、遺産の分配(遺産分割の方法)に関する提案とともに行うことが多いです。もっとも、遺産の分配の提案には、依頼者が、被相続人のために出費した費用、医療費や葬儀費用、固定資産税の支払いなどですが、これらの費用の負担を負っていることを説明し、分配額を調整する、つまり少なめでも了解していただく、という「交渉」を行うというものです。

 兄弟争いのケース

このような交渉案件が必要となる相続人の関係として、兄弟の折り合いが良くない、例えば「親の面倒を見た長男と外に出た次男の争い」というケースは一応存在するのですが、実は、依頼に至るケースは割合としては少ないと思います。

弁護士費用をかけてまで争うのは本意ではないということもそうですが、相談の中で申し上げることも多いのですが、相談の結果「争っても経済的に見合わない」「完全に相手を屈服させて満足を得られるるわけでは無い」ということが、確認できるのではないかと思います。

このような傾向が出て来るのは、正しい法律知識、法制度に関する理解が浸透しつつあることも、大きいのだと思います。インターネットの普及、法律に関するテレビ番組の増加、弁護士自体の増加、これらの社会情勢の変化が、法律紛争を抑制する方向に働くことは非常に望ましいことであると思います。

遺産分割の争いが長期化することで望ましい結果が得られる人は誰も居ませんから、なおさらであると思います。

 相談増加の実態

一方で、相談件数が多くなっていると感じるケース、そして相談の結果、交渉案件として受任することがかなりの確率で必要となるケースがあります。

実はこのケースを言葉で表現することは非常に難しいのですが、端的に言えば「会ったことの無い、あるいは相当の期間音信の絶えた相続人との話し合いが必要なケース」です。

相続人同士がこのような関係になる典型的なケースは親が再婚し、片親が違う兄弟姉妹の中で相続が発生するケースです。

また、子供のいない夫婦の一方配偶者が先立たれ、亡くなった配偶者の兄弟姉妹と相続の話し合いを行う、場合によっては甥や姪と相続の話し合いを行うというケースもあります。

その他に、親子相続でも離婚によって他方配偶者に引き取られた子に親が亡くなったことと、相続手続の発生を伝えたいが居場所が分からないケース。

相続が数代を重ねて、またいとこの関係の親族と話し合いをしなければならないケース。

このような場合に、親族同士が突然相続の話題を皮切りに話し合いを始めるというのは、わが国の社会常識に照らせば、「いきなり何!?」という反応が予想される、かなり勇気の必要な事柄ですし、多くの場合、良好な関係のまま話し合いを進めることは難しく、「どうしたものか」と壁に突き当たる方が多いのだと思います。

私自身、弁護士業務を重ねる中で、このようなケースが意外に多いことに驚いたのですが、実は自分の身の回りの知人の中にもこのようなケースになる親族関係というのは多いが、よほど親しい友人関係でなければ身の回りの知人の親族関係を詳しく把握することは無いですし、実数として多くても、世に知られない、表面化しにくい問題ということなのだと思います。個人情報保護の流れが加速したことも、

このような交渉案件こそ、弁護士の出番であると思います。十分な法律知識と経験に裏打ちされた交渉代理権あってこそ、このような問題を解きほぐし、解決に導けるのだと思います。

今後の問題

さらに、相続問題の一端として、セルフネグレクト、いわゆるゴミ屋敷問題が昨今話題となっています。ところが、この問題、高齢者の問題にとどまらず、中年層においても見られるようになっています。法律分野に止まらない問題ですが、新たな年からはこういった問題にも乗り出していける、充実した体制を引き続き作っていきたいと思います。