はじめまして。

税理士の森山貴弘と申します。

ここでは、相続税対策の見直しの重要性についてお伝えさせていただきます。

 

〇相続の相談は誰にしますか?

一般的な相談については、争い事は弁護士に、不動産に関する事は司法書士に、税金は税理士に相談されることが多いと思います。

しかし相続は相続財産の内容や相続人との関係により様々な事象が重なるため、問題点を明確に区分することが難しく、一の専門家による検討だけでは偏った判断となってしまう可能性があります。

やはり円滑な相続をおこなう場合には、複数の専門家から様々な視点で検討されることが望ましいでしょう。

 

〇相続の相談はいつしますか?

相続はいつ発生するか分かりません。それ故、早急に相続対策を講じる必要はないかもしれません。

しかし、認知症が発生した場合には、講じられる対策が極めて少なくなってしまうため、相続に関する対策を後回しにされるのはあまりお勧めできません。

やはり早期に検討された方が望ましいのは間違いないでしょう。

 

〇望ましい相続税対策は状況により変わります

法律は不変なものではありません。税制は毎年改正があります。

それ故、以前に講じた相続税対策が効果的でなくなってしまうことがあります。

この度、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」が創設されました。

これまでは、空き家の売却を生前にするか、または相続後に相続人が行うかについて税を含めた様々な視点から検討されたことと思います。

しかし、今後は下記規定を含めて有利不利を検討する必要があります。

 

〇被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例 

1 概要

 相続開始直前において被相続人のみが居住用に供していた家屋及びその敷地の用に供していた土地等をその相続または遺贈により取得した個人が、平成2841日から平成311231日までの間に、一定の要件に該当する譲渡をした場合には、その譲渡益から最高3,000万円を限度として控除することができます。

 なお、この特例はいわゆる取得費加算の特例等との選択適用となり、また居住用財産についての譲渡所得の他の特例とは重複して適用することができます。

(注)被相続人居住用家屋の敷地等とは、相続の開始の直前において被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地又はその土地の上に存する権利をいいます。

なお、相続の開始の直前においてその土地が用途上不可分の関係にある2以上の建築物(母屋と離れなど)のある一団の土地であった場合には、その土地のうち、その土地の面積にその2以上の建築物の床面積の合計のうちに一の建築物である被相続人居住用家屋(母屋)の床面積の占める割合を乗じて計算した面積に係る土地の部分に限ります。

2 要件

 ⑴ 対象者

 相続又は遺贈により被相続人居住用家屋及び被相続人居住用家屋の敷地等を取得した者であること

 ⑵ 譲渡資産

  被相続人居住用家屋又はその敷地等

  *相続開始の時から譲渡の時まで事業用・貸付用又は居住用に供されていないこと

  *家屋は区分所有建物ではないこと

  *昭和56531日以前に建築されたものであること

  *相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと

 ⑶ 譲渡要件

  相続開始があった日から3年目の年の1231日までに次の譲渡をしていること

  ① 被相続人居住用家屋を耐震リフォームし、その被相続人居住用家屋及びその敷地等を譲渡した場合

   (譲渡時に耐震基準を満たしており、耐震リフォームをしていない場合を含む)

  ② 被相続人居住用家屋の取壊し等後に被相続人居住用家屋の敷地等を譲渡した場合

 ⑷ 譲渡価額

  譲渡価額が1億円を超えないこと

(注)この特例の適用を受ける被相続人居住用家屋と一体として利用していた部分を別途分割して売却している場合や他の相続人が売却している場合における1億円以下であるかどうかの判定は、相続の時からこの特例の適用を受けて被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等を売却した日から3年目の年の1231日までの間に分割して売却した部分や他の相続人が売却した部分も含めた売却代金により行います。

 ⑸ 適用期間

  平成2841日から平成311231日までの間の譲渡であること

3 手続き

 確定申告書に措置法第35条と記載するほか、次の書類を添付する必要があります。

 ・譲渡所得の内訳書

 ・登記事項証明書

 ・被相続人居住用家屋等確認書

 ・売買契約書の写し等

 ・耐震基準に適合する家屋である旨を証する書類(家屋と敷地を共に譲渡した場合)

 

 この規定の創設により、今後は一定の要件を満たす空き家を相続開始後3年目の年の1231日までに、かつ1億円以内で譲渡することも検討された方がより望ましい節税につながるものと思われます。

 ところで少し前までタワーマンションを利用した節税対策が注目を浴びておりました。しかし先日公表された平成29年度税制改正大綱には次のような改正案が提示されております。

 

〇居住用超高層建築物に係る課税の見直し

居住用超高層建築物に対して課する固定資産税について、次の見直しを行う(都市計画税についても同様とする)。

① 高さが60mを超える建築物のうち、複数の階に住戸が所在しているもの(以下(1)において「居住用超高層建築物」という)については、当該居住用超高層建築物全体に係る固定資産税額を各区分所有者に按分する際に用いる当該各区分所有者の専有部分の床面積を、階層別専有床面積補正率により補正する。

② 階層別専有床面積補正率は、最近の取引価格の傾向を踏まえ、居住用超高層建築物の1階を100 とし、階が一を増すごとに、これに、10 39 で除した数を加えた数値とする。

③ 居住用以外の専有部分を含む居住用超高層建築物においては、まず当該居住用超高層建築物全体に係る固定資産税額を、床面積により居住用部分と非居住用部分に按分の上、居住用部分の税額を各区分所有者に按分する場合についてのみ階層別専有床面積補正率を適用する。

④ 上記からまでに加え、天井の高さ、附帯設備の程度等について著しい差違がある場合には、その差違に応じた補正を行う。

⑤ 上記からまでにかかわらず、居住用超高層建築物の区分所有者全員による申出があった場合には、当該申し出た割合により当該居住用超高層建築物に係る固定資産税額を按分することも可能とする。

(注)上記の改正は、平成30 年度から新たに課税されることとなる居住用超高層建築物(平成29 年4月1日前に売買契約が締結された住戸を含むものを除く)について適用する。

 

 上記はあくまで固定資産税等に関するものですが、将来的にはタワーマンションに関する相続税・贈与税の財産評価の見直しが実施される可能性も否定できません。

将来予測される税制改正により当初行った相続税試算と異なる相続税納税額が予想される場合には、早急に納税資金対策や節税対策を講じる必要があります。

 

〇定期的に相続税対策の見直しを行いましょう。

相続はいつ発生するか分かりません。

それ故、対策を講じた時点では最善の相続税対策であったとしても、その後の経済環境の変化や税制改正により、効果の低い対策になっている場合があります。

ご自身の健康を保持するために定期的に健康診断を受診されるのと同様に、相続に関する財産の定期的な見直しをお勧めさせていただきます。

 

 

一般社団法人相続ワンストップ相談所

理事 税理士  森 山   貴 弘

<連絡先>

一般社団法人相続ワンストップ相談所

TEL 0120-920-605

[受付時間]平日 9時~18時 [定休日]土日祝